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夏のランニング

暑さ指数(WBGT)とランニング

最終更新日:2026年8月9日

夏のランニングで本当に危険なのは、気温が高い日ではなく湿度が高い日です。気温32℃で乾いた日より、気温29℃で蒸し暑い日のほうが熱中症のリスクは高くなります。この違いを一つの数値で表したものが、暑さ指数(WBGT)です。

WBGTとは何か

WBGT(Wet Bulb Globe Temperature/湿球黒球温度)は、暑熱環境の危険度を測る指標です。単位は気温と同じ℃ですが、意味はまったく違います。WBGTは次の3つを重み付けして合成した値です。

気温の寄与は全体の1割しかありません。湿度が最も重く効くのは、人体が体温を下げる主な手段が汗の蒸発だからです。湿度が高いと汗は流れ落ちるだけで蒸発せず、気化熱による冷却が働きません。汗をかいているのに体温が下がらない状態が、熱中症の入り口です。

5段階の危険度と行動の目安

以下は、日本スポーツ協会「熱中症予防運動指針」に基づく区分です。

WBGT区分ランニングでの目安
31℃以上 運動は原則中止 屋外を走るのは避ける。走るなら早朝や日没後に時間をずらすか、屋内に切り替える。
28〜31℃ 厳重警戒 激しい運動は中止。走るならペースを大きく落とし、10〜20分ごとに給水と休息を挟む。
25〜28℃ 警戒 積極的に休息を取る。距離やペースを普段より控えめに設定する。
21〜25℃ 注意 通常どおり走れるが、こまめな給水を心がける。
21℃未満 ほぼ安全 通常どおり。それでも長時間走る場合は給水を忘れずに。

この区分は、暑さに慣れた健康な成人を前提とした目安です。

暑い時期に入ったばかりの時期、寝不足、飲酒の翌日、風邪気味のときは、体の暑さへの適応が働かず、区分より1段階危険側に見積もる必要があります。持病がある方、服薬中の方は、事前に医師にご相談ください。

「まだ走れる」と感じるときが一番危ない

熱中症は、限界を感じてから急に起こるものではありません。体温調節が追いつかなくなっている段階では、まだ普通に走れてしまいます。判断を体感に任せず、あらかじめ数値で線を引いておくことが、この種のリスクへの実際的な対処です。

走行中に次のサインが出たら、その時点で走るのをやめてください。

いずれかに当てはまったら、日陰か冷房のある場所へ移動し、水分と塩分を取り、首の横・脇の下・足の付け根を冷やします。意識がはっきりしない、自力で水が飲めない、といった場合は、周囲に助けを求め、救急要請をためらわないでください。

暑い時期に走るなら

時間帯をずらす

同じ日でも、WBGTは時間帯で大きく変わります。日射の寄与が消える日没後や、地面の蓄熱がまだ少ない早朝は、日中より数℃低くなります。夏場は「走るかどうか」より「いつ走るか」で解決できることが多くあります。

給水は走る前から

のどの渇きを感じた時点で、すでに軽い脱水が始まっています。走り出す30分ほど前にコップ1杯、走行中は15〜20分ごとに一口ずつ、が扱いやすい目安です。1時間を超える場合や大量に発汗する場合は、水だけでなく塩分も補給します。

服装は「熱を逃がすこと」を最優先に

暑い日は、生地の薄さより通気と速乾が効きます。汗を吸ったまま肌に張り付く綿素材は、湿度が高い日には冷却をむしろ妨げます。日射が強い日は、キャップとサングラスで頭部と目への負担を減らすだけでも体感は変わります。

runner-wear は、現在地の気象データから暑さ指数を推定し、危険度に応じて服装だけでなく「走り方そのもの」の提案に切り替えます。

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