runner-wear

つまずく点

汗冷えはなぜ起きるか|綿を避ける理由

最終更新日:2026年8月9日

走り終わったあと、あるいは走行の後半で、急に体が冷えてくることがあります。これが汗冷えです。風邪の原因になるだけでなく、冬場は体温が下がりすぎて危険な状態になることもあります。

汗は、乾くときに熱を奪う

汗が体を冷やすのは、汗そのものが冷たいからではありません。液体が蒸発するとき、周囲から熱を奪うためです。この気化熱が、運動で上がった体温を下げる主要な仕組みになっています。

走っている間は体が熱を作り続けているので、この冷却があってちょうど釣り合います。問題は、走るのをやめた後です。熱の産生は止まるのに、濡れた服からの気化は続きます。ここで冷却だけが残り、体温が下がりすぎます。

綿が向かない理由

綿の繊維は水を繊維の内部に取り込んで保持します。一度濡れると、内部の水はなかなか外へ出てきません。触ると重く、肌に張り付き、いつまでも乾きません。

つまり綿のシャツは、走っている間は汗をため込んで冷却を妨げ、走り終わった後は濡れたまま体を冷やし続けます。両方の場面で逆に働きます。

素材水の扱いランニングでの評価
綿繊維内部に吸い込んで保持避ける
化繊(ポリエステル等)繊維の表面を伝って広がり、蒸発する基本。安価なものでも機能する
メリノウール吸湿するが、濡れても保温性が残る冬向き。臭いにくい。高価

化繊のスポーツウェアが「吸汗速乾」と表示されているのは、汗を素早く広い面積に拡散させ、蒸発しやすくしているからです。乾く速さが違えば、走り終わりの状態がまったく変わります。

冷えるのは走行中より「止まったとき」

汗冷えが起きやすい場面は決まっています。

いずれも、発熱が止まったのに濡れた服を着たままの状態です。特に冬場、走り終えてから帰宅するまでの十数分が最も危険です。

対策は3つ

1. 肌に触れる層を化繊にする

上に何を着るかより、肌に直接触れる1枚が重要です。ここが綿だと、外側の層をいくら機能素材にしても効果が打ち消されます。

2. 走り終わったらすぐ着替える

最も確実な対策です。屋外で着替えられない場合でも、上に1枚羽織るだけで、蒸発による冷却をかなり抑えられます。

3. 厚い1枚より薄い2枚

脱ぎ着で調節できる構成にしておけば、暑くなったら脱いで発汗そのものを減らせます。汗をかいてから対処するより、かきすぎないほうが簡単です。

「少し寒いくらい」で出るのが正解

走り出しに暖かいと感じる服装は、走行中には確実に暑すぎます。暑ければ余分に汗をかき、その汗が後から自分を冷やします。出発時に少し肌寒いくらいが、汗冷えを避ける最も簡単な方法です。

気温ごとの具体的な目安は気温別 ランニングの服装 早見表に、走行中の体感が外気温とずれる理由は走行時体感温度とはにまとめています。

外気温ではなく、走行時の体感温度から服装を選べます。

今日の服装を調べる